創設者の想い

重度の障害者が、
地域で当たり前に暮らせる。
その可能性を見せていきたい。

自分の意志で、したいことができ、行きたい場所に行ける自由。人として大切なその権利が、重度の障害者には当たり前に保証されてはいません。それを左右するのは、地域で自立して生活できるかどうかです。
私は脳性まひのために、24時間、つきっきりの支援が必要です。かつては私のような重度障害者が地域で自立した生活をするための社会資源はなく、「親亡き後は障害者施設で暮らす」というのが世間一般の考えでした。根強く残るその意識を少しでも変えるため、「地域で暮らす重度の障害者」のロールモデルを、自分自身を含め何人も生み出していきたい。そのために、まず必要な重度訪問介護サービスを提供する目的でNPO法人を立ち上げたのが、ピアサポートみえの始まりです。
障害のある人が、地域の中で自由に暮らし、能力を活かした多様な活動ができる環境をつくっていきたい。そして究極は、障害者施設を必要としない社会に。そんな理想を思い描き、障害のある人もない人も、誰もが持ちつ持たれつで支え合う「お互いさま」のサポートを提供しています。

松田 愼二 Shinji Matsuda
ピアサポートみえ創設者・初代理事長・現理事・相談役

脳性まひによる先天性の障害があり、自身の経験に基づいて「障害者が地域で自立して暮らせるための介助」を行うNPO法人を設立。地域の小学校などでの講演をはじめとした啓発活動にも積極的に取り組んできた。

同じ立場だからこそできる支援を、
身体・精神・知的
すべての障害者に。

「ピアサポート」とは、障害のある仲間同士の支援です。私は精神障害がありますが、「同じ立場の人を支援したい」との想いがありました。あるとき目にした新聞に載っていたアルバイト募集広告で、偶然、ピアサポートみえの前身となるNPO法人を知って面接に訪れ、自立した生活を営む松田の姿に衝撃を受けました。以来、事務やヘルパーとしての業務に従事しながら、偏見をなくすための啓発活動にも取り組んでいます。
私自身、ここで自分の障害に理解を得ながら安心して働くことができ、ピアサポートの重要性を身をもって感じてきました。精神に障害のある人にとってピアサポートみえは、そうした理解と支援を受けられる場であると同時に、ヘルパーとして活躍できる場にもなっています。
すでに、身体と精神に知的を加えた3つの障害に対するピアサポートの体制を整え、サービスの幅も日中一時支援や就労継続支援事業、自立生活体験室などへと拡大。障害者の自立した生活のため、この先もよりいっそうの支援の充実を図っていきます。

佐々木 康弘 Yasuhiro Sasaki
ピアサポートみえ創設者・初代事務局長・現理事・相談役

双極性感情障害の当事者として人をサポートしたいとの想いから、福祉施設のアルバイトや特別支援学校の補助教員を経て、ピアサポートみえへ。身体に加え、精神・知的障害者へのサービス拡充に注力してきた。

障害者の障害者による障害者のための
ピアサポートみえ